雅楽
「雅楽」は世界最古のオーケストラだと言われています。
古代中央アジアに起源を持つ各地の伝統音楽が、仏教とともにシルクロードを通って東漸し、
中国・朝鮮半島の伝統音楽と融合しながら、5〜6世紀頃日本に伝わりました。
仏教を日本に取り入れて「和国の教主(日本のお釈迦様)」と崇敬される聖徳太子は、
「三宝を供養するには、諸々の蕃楽(ばんがく:隣の国の音楽)を用いなさい」との詔(みことのり)を出され、
大陸の音楽を積極的に受容されました。
その後、平安時代には、大陸から伝わった音楽と、日本独自の「国風歌舞(くにぶりのうたまい)」が融合して、
現在に伝わる「雅楽」が完成したのです。
雅楽と西洋のオーケストラとの大きな違いは、「指揮者」がいないという点です。
そのため、演奏者一人一人が、お互いの音を聞き、リズムを感じ、呼吸を合わせることが何よりも大切です。
先生からは「雅楽は敬いの音楽、和の音楽です。」と教えて頂いております。
仏様を敬い、演奏者を敬い、支えて下さっている方々を敬う。そしてそれぞれの音と心が和していく。
それが日本に伝わって千数百年の歴史を有する雅楽の、もっとも大切な心なのです。
新潟楽所
雅楽団体「新潟楽所」は、威徳寺の前住職 源川遠城師の願いから始まりました。
平成2年、「威徳寺にお浄土の音楽を響かせたい」との思いから、師は三鼓(鉦鼓、太鼓、鞨鼓)を求めました。
その年の12月、三鼓の打ち初め式を予定していましたが、威徳寺に響く浄土の音楽を聴くことなく、師は御往生されました。
打ち初め式となった師のお葬儀を機縁として、平成3年1月、
師の願いを引き継いだ現住職 源川法城師と御門徒の方々を中心に「威徳寺雅楽部」が発足。
平成10年には現団体名「新潟楽所」に改名しました。
神仏に捧げる「奉納楽」を中心に、県内外の寺院・神社等の行事にて雅楽を演奏する他、新潟市主催の音楽祭への出演、
小中学校での演奏や定期演奏会など、伝統音楽の普及にも力を入れています。
宗教や職業を超えた和の音楽を目指し、現在、週二回の練習日を設けて、心技両面の研鑽に励んでいます。