6/5 初夜
午後7時、永代経法要の開始を告げる司会者のことばを合図に、喚鐘の音が鳴り響きました。
開扉とともに、法要のために整えられたお内陣のお荘厳が拝まれる。出勤のご僧分も参詣者も、ともに唱和する力強い勤行が堂内に響き渡りました。勤行に引き続き雅楽奉納。曲目は「太食調調子」、「輪鼓褌脱」。
続く法座では、門徒総代さんとご院主さまの挨拶に引き続き、富山県教願寺住職、釜田哲男先生より御法話を賜りました。以下は要旨です。
「仏法を聞かせて頂く上で一番大事なこと、それは〈私とはどういう者か〉ということです。
それも仏様の智慧の目から見て頂いた姿を教えてもらうのです。
私たちは大切に育ててもらった親でも、年をとって手がかかるようになると、腹が立ち、「早く死んでくれたら」という思いが出てきます。
しかしある陶芸家は、そんな自分の気持ちに苦しんだ末に、「母だからこそ、〈おまえというのはそういうもんだよ〉と残りの命をふりしぼって教えてくれたのだ。」と、『いっぱいごめん、いっぱいありがとう』という本を書いています。
自分の姿を〈知らせてもらう〉はたらきが、仏様のお呼びかけなのです。そのお呼びかけに耳を傾けてください。」